ポンコツブログ

歯医者の卵です。

マチネの終わりに~読後感想~

先日、購入していた平野啓一郎さんのマチネの終わりにという小説を読み終わりました。

読後の感想のとしては、「余韻がすごい!!」ということですね~

 

実はこの本、3月くらいに購入していました。ちょっとずつ読み進めてはいたんですがなかなか難しい。。。

舞台は2010年あたりの世界なんですが、このころのイラクの情勢や、またクラシックの情報などが細かく描写されています。僕はあまり時事問題にも詳しくなく、クラシックも聴かないのであまりピンとこず、難しいなあという印象を最初は覚えていました。

まあ、結論から言うと、半分を読み進めるのに二か月かかってしまいましたが、残りの半分は二日で読み終わってしまいました。それほどに先をどんどん知りたくなる本でした!!

いやあ~、久しぶりに”眠たいけどまだまだ寝ずに読みたい!”って気持ちになっちゃいました。結局は寝て、今日の朝起きてすぐに昼過ぎまでかけて一気に読破しました。

これから読もうかなと思っている人もいるかと思いますのでなるべく物語の核心に迫るようなことは伏せて書いていこうと思います。(追記:少しネタバレのようなとこあります)

物語は天才ギタリストの蒔野と国際ジャーナリストの洋子、二人を中心に展開されていきます。

二人はたった3回しか会ったことがないのですが、熱烈にお互いを思いあうようになります。洋子は別の人との婚約を破棄するほどに、です。

しかしそれがうまくいかないのです。詳しく話せないのですが、あと一歩どちらかが勇気を出していれば。。。!というような展開が続くのです。何度もチャンスはあるのですがそのたびに何か一歩を踏み出させないような出来事があるのです。読んでいる側としては「あーーー、なんでうまくいかないんだーーー」と切なくなってしまいます。

ここまで来たらもう読み止めることはできずに一気に読んじゃいますね~。

映画では福山雅治さんと石田ゆり子さんが出演されているのですが、小説のおしゃれな世界に本当に二人がぴったりで、僕は映画は見ていないんですが、福山雅治さんを蒔野、石田ゆり子さんを洋子と当てはめて読み進めてしまいました。本当にぴったりなんです!

ちなみに洋子は長崎出身ということになっているのです。僕は長崎に数年住んでいたことがあるので、洋子が帰省したシーンで長崎の情景が詳細に描かれていてなんだか懐かしくなりました。(笑)

 

人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?

 このセリフは蒔野が洋子と出会った時の会話の中で発言した言葉です。考えさせられますよね。よく人は過去は変えられず、未来は変えられるといいますが、このセリフを聞くと確かにそうだと思わされます。確かにそうですよね。過去の嫌な出来事も未来のいいことにつながればいい思い出となって記憶されます。努力なんかがいい例ですよね。また、このセリフは洋子自身にも響く時が来るのです。今まで暗い過去だと思っていたことも、真相を聞くことによって違ったものに思える。そんな時が来ます。

 

長くなってしまったんですが、こんな感じの話です。僕はこの小説は今までにないくらい余韻が残っていて、その先の未来がどうなっているんだろうって考えてしまいます。素晴らしい小説をありがとうございます平野啓一郎さん!